World Mystery Tour by Mr. M
                 



事件ファイル12


              究極のレストラン・N国編


     ここはN国最大の都市A市。M氏は2泊3日の予定で出稼ぎに来ていた。
 
     出張初日の夕方、M氏は夕飯は何にしようかと考えながら街をブラついていると、通り
     沿いに一軒の日本食レストランがあった。外から覗いてみると、そこそこ客も入っている
     ようである。M氏は早速その店に入ることにした。

     ところが店に入った途端、M氏は何やら「殺気」のようなものを感じた。しかしその時点
     ではその原因が一体何なのかは判らなかった。店員の案内に従ってテーブルに着き、
     メニューを見ると、一品物からコース料理まで、いろいろ食欲を誘う品々が数多くある。
     散々迷った末、M氏は「寿司幕の内弁当」というのを注文した。

     注文を終えてから待つこと約10分。まず最初に「にぎり寿司」が運ばれてきた。 寿司ネタ
     はどれも新鮮でホントに美味しそうである。が、しかし、お寿司の横に何やら どこかで見た
     経験のあるものが置いてある。目の焦点をターゲットに合わせてよ〜く見て みる・・・・・・・
     キ、キムチであった!

     M氏は自分の目を疑った。しかし何度見なおしても、正真正銘のキムチが自信タップリ に
     そこにある。にぎり寿司とキムチの間にいかなる関係があるのか、M氏の頭では到底 解明
     することはできない。解らないことは放っておくという、イイ加減な性格が幸いし、軽いメマイ
     を感じながらも、M氏はとりあえずお寿司を食べてみることにした。

     「ん? ん?  暖かい・・・・・」 ナ、ナント、にぎり寿司のシャリがホカホカの 炊き立てご飯
     だったのだ。 しかも「酢めし」ではなく、ごくごく普通の炊き立てご飯だったのだ。

     ところが、これらの衝撃はその後に続く「悲劇」の序章に過ぎなかった。次にメインの料理
     が運ばれてきたのだが、幕の内用の大きな弁当箱に入っていた料理の組み合わせが、
     実に独創的なのだ。韓国風ステーキ2枚、天ぷら各種、鳥の唐揚げ、切干大根、焼き鳥、
     スパゲティーナポリタン少々、みかん、キムチ各種、キーウイ、梅ぼし、沢庵、トマト 丸ごと
     1個、生セロリ1本、キャベツの千切り。

     とくに「焼き鳥」はかなりゴーインな仕上がりで、1本の串に、下から普通の焼き鳥、太ネギ、
     鳥の唐揚げ、カニ風味スティックの順で刺さっているのだ。天麩羅に至っては立ち食うどん
     の店で注文する「天麩羅うどん」の中に入っている天麩羅にソックリで、 妙に歯ごたえがあり
     コロモが馬鹿デカイ。おまけにキュウリまで天麩羅にしてある。 確かにボリュームはある。
     ボリュームがあるのは分るのだが、繊細さは微塵もない。

     M氏は堪え難きを堪えた。忍び難きも忍んだ。そして料理の9割を残して店を出た。
     しかし、不思議にもこの店に対して別に不快感はなかった。なぜなら出張先で独り寂しく
     夕食をとるはずだったのが、久しぶりにユニークな和食を堪能させてもらったからである。

     ただM氏は一言だけこの店に言いたいことがあった。表の看板に「高級日本料理店」 と
     書くのだけはヤメた方がイイんじゃないかと・・・・。



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