World Mystery Tour by Mr. M
                 



事件ファイル10


                究極のラーメン編


      海外生活も長くなると、ミョーにC級グルメが恋しくものだ。牛丼やうどん、ギョーザに
      お好み・・・考えただけでもヨダレが出てくる。特にM氏は酒を飲んだ後には必ず美味
      なるラーメンが食べたくなるという、実に楽しい性格をしている。

      が、しかし、BUT、南半球のお荷物・某N国には旨いラーメン屋がぜんぜんなかった。
      見事になかった。カケラも見当たらなかった。

      どーしても旨いラーメンが食べたい・・・「必要は発明の母」とはよく言ったもので、M氏
      はナント自分で旨いラーメンを作ることにしたのであった。

      まずは麺。これがまたぜ〜んぜん売っていない。中華食材のお店はあるのだが、そこで
      売っているのは、まるでゴムのような麺だけである。(ビーフンみたいなやつ) 追い込ま
      れると、時としてM氏はトンでもない考えが閃く。
     
       そうだ! フィットチーネを代用してみよう♪ 

      想像しただけで食欲をなくすと思った人もいるであろう。しかし、M氏はそんな弱虫は
      キライである。

      とりあえず大事なのはスープだ。 スープさえ旨ければ麺のことはガマンできるはずであ
      る。久しぶりにM氏は燃えた。肉屋の髪金のネーちゃんに軽蔑光線を浴びながら豚骨を
      どっさり買い込み、寸胴も調達。ニンニク、野菜各種、豚肉、純米吟醸酒に醤油、ミリンに
      怪しげな中華調味料などなど、八方手を尽くして考えられる食材を全て準備した。

      そして豚骨をコトコトと一昼夜煮込んでからダシをとり、それから各種調味料を合わせ、
      やっとこさスープができがあり、ついでに自家製チャーシューも作ったりなんかもした。
      調理中、M氏の頭の中には、ずっとロッキーのテーマ・ソングが流れていた。

      で、ようやく完成した究極の「イタリア風ラーメン」! まさに執念としか言いようのない
      快挙であった。 家族全員をテーブルに集合させ、まずは「究極のラーメン」に対して、
      恭しく祈りを捧げる。

     「いただきま〜〜〜す!」

      ズズズズズズズズズズ・・・・静寂の中で鳴り響くスープをすする音。そして再び静寂が
      テーブルの周りを優しく包む。 その神聖なまでの静寂を木っ端微塵にぶち壊したのは、
      M氏夫人の不用意な第一声であった。


        な〜んだぁ、昨日からスープを作ってたくせに、
        結局、‘出前一丁’の粉末スープを使ったんだぁ♪
        で、昨日のスープは失敗したワケ?


      どう考えても、普通ならば怒るシーンである。しかしどこまでも前向きな考えのM氏は
      明るい声でこう呟いた。

      「そ〜か! 究極の味を追い求めると、最終的には出前一丁の味になるのかぁ・・・」

      M氏の果てしなき挑戦はまだまだ続く・・・


     *     *     *     *     *     *     *     *     *

                        究極のラーメン解説編

      究極のラーメンの詳細を書いていなかったので報告いたします。

      まずフィットチーネですが、なぜこれを使おうかと思ったかと言うと、実は単純な理由で
      して、究極のラーメンを作る前々日のM家の昼食がカルボナーラで、大量に買い込み過
      ぎた為、麺が余っていたのです。そして、その日の夜中、夜食でカップ麺の「赤いきつね」
      を食べていたら、愚妻が「その麺って、フィットチーネに似てない?」と言ってきたのです。

      そんなことを聞いてジッとしていられるM氏ではありません。さっそくフィットチーネを茹で、
      残っていた赤いきつねのダシを鍋で暖め直し、その中に入れて食べてみたのです。

      すると、これが見事にまったく同じ味! 赤いきつねはフィットチーネだったのです! 
      で、調子に乗ったM氏夫妻は、よし、これでラーメンを作ろうってことで話がまとまり、
      究極のラーメン作りへと発展していったのです。

      さてラーメンとの愛称ですが、うどんダシの時には気にならなかったのですが、ラーメン
      のスープと合わせると「パスタ臭さ」というか、粉臭さが目立ってしまうのです。たぶん
      赤いきつねで実験した時には、残ったダシの中に茹でた麺を入れて、さらにそれを鍋で
      しばらく煮込んだので、うどんダシの味が麺にしみ込み、粉臭さが消えたのだと思います。

      実はさらに悪ノリしたM氏は、わざわざ新たにフィットチーネを買ってきて、焼きソバに
      も挑戦していたのです。しかし、これも1回目の挑戦では、粉臭さが残ってしまったため、
      M氏は作戦を変更して、麺を茹でた後、フライパンで具と面を炒める前に、ボールの中
      でマヨネーズと麺を和え、それから炒めてみたのです。すると今度はバッチリでした! 

      誤解のないように申し上げておきますが、こりゃあくまで日本の食材が手に入らない状況
      下での挑戦であり、別に「こりゃ旨いぜぇ、旦那!」と言っているワケではありません。(笑) 
      当然ながら普通にラーメンを食べ、普通にフィットチーネを調理し、普通の焼きソバを食
      べるのが一番美味しいのは言うまでもありません。



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