World Mystery Tour by Mr. M
                 



事件ファイル13


              怒りの英会話・三部作編


                   第一部(某和食レストランにて)

       ある日のこと、某A市での仕事を終えたM氏は、ホテルに戻る途中で和食レストラン
       を発見した。チャキチャキの日本人であるM氏が、日本食レストランを見て素通りする
       ハズはない。当然ながらその日の夕食をそのレストランですることに決めた。

       レストランといっても、高級懐石料理などを扱っているお店ではなく、まぁ、早い話が
       大衆食堂であった。まず最初にレジの前に行き、そこで注文と同時に精算を済ませ、
       後は席について料理が運ばれてくるのを待つというシステムである。

       レジの前に歩み寄ったM氏は、レジ横の壁に張り出されたメニューを見ながら、何を
       食べようかとあれこれ考える。トンカツ定食、刺身定食、カレーライス、親子丼、天ぷら
       うどん・・・・どれもこれも食欲をそそる料理ばかりだ。さんざん悩んだ末、M氏はレジに
       いた若い日本人のおねーちゃんに「豚しょうが焼き定食をお願いしま〜すぅ♪」と注文
       した。

       その時である! レジのおねーちゃんの返答を聞いたM氏のコメカミが鈍い音を立てて
       切れた!

         ポークジンジャーセットを1つですね?

       確かにここは海外である。しかし、日本食レストランの中は治外法権だとM氏は思って
       いる。レジのおねーちゃんは日本人、M氏も日本人、そしてメニューも日本語表記である。
       M氏は思わず心の中でこう叫んだ・・・・。


           アホんだら〜〜〜〜〜ぁ!
           ワシが注文したのは
           豚しょうが焼き定食じゃ!
           イチイチ英訳すんなぁ!


              ★    ★   ★   ★   ★   ★   ★


                       第二部(某居酒屋にて)

       M氏は居酒屋が大好きである。特にカウンター席しかないような小さな居酒屋が好み
       であった。店の主人との会話も楽しめるし、たまたま隣に座った人と楽しく会話できたり
       なんかもするからだ。

       ある日のこと、久しぶりに日本に出稼ぎに行ったM氏は、京都のU地区にある小さな
       居酒屋で、晩酌を楽しんでいた。店内は常連のオヤジで賑わっている。M氏もオヤジ
       達に混じって、オヤジ的な会話を楽しんでいた。そこに、20歳くらいの若いギャルが
       2人現れて、M氏の隣に座った。店内のオヤジ連中からは「ドヨメキ」が上がったが、
       M氏は別に気に留めることもなく、淡々と飲み続けていた。

       さて何分くらい経過して頃であろうか。オヤジ達との会話の流れで、唐突に遊園地の
       話題が出てきた。

        「旅行がてら、孫をどこかの遊園地に連れて行こうと思うのだが、どこかお薦めの
         場所はないかなぁ?」

       確か、そんな内容であったと思う。そこでM氏は「東京デズニーランドなんかがイイん
       じゃないですか?」と、差し障りのないアドバイスした。

       その時である! 先ほどのギャル2人組の発した不用意な言葉に、M氏のコメカミは
       再び鈍い音を立ててキレた!

    「 ‘でずにーらんど’だって。(笑) ディズニーランドなのにねぇ♪ (クスクス・・・) 」

       M氏の職業は通訳である。通訳というのは、聞き手側の状況によって、言葉を慎重に
       使い分けている。そんなM氏は思わず心の中でこう叫んだ・・・・。


           アホんだら〜〜〜〜〜ぁ!
           オノレらに英語の発音のことで
           ゴチャゴチャ言われる筋合いは
           ぜんぜんないワイ!




              ★    ★   ★   ★   ★   ★   ★


                   第三部(某ユースホステルにて)

       M氏は某C市のユースホステルのスタッフと非常に仲が良い。よく一緒に飲みに行った
       りするし、スタッフのパーティー等にも誘われたりもするる。そんなこんなで、M氏は時々
       そのユースに遊びに行ったりもする。

       ある日のこと、M氏は夕方からスタッフと飲みに行く約束をしていた。その日、予定より
       早く仕事が終わったM氏は、約束の時間よりもかなり早かったが、とりあえずユースに
       向かった。スタッフはまだ仕事中であったので、M氏はラウンジで時間をつぶしていた。

       そこに若い二人組みの日本人ギャルが「地球の歩き方」を片手に、M氏の前を通り過ぎ
       た。その瞬間、ギャルの1人が何かメモのようなモノを落とした。ギャルはそれに気がつ
       かず、そのまま立ち去ろうとしている。M氏はすぐにメモを拾い上げ、その「あ、コレ落と
       しましたよ!」と、ギャルに声をかけた。

       ところがである。そのギャルは一応は「ありがとうございます」と言ったものの、続けて
       小声で意外なことを言い出した。「ありがとうございます。でも、ここは世界各国からの
       旅行者が集まるユースホステルなんですから、日本語では話し掛けないで下さいね。
       ここでは英語が標準語です。日本語でしゃべっていたら、他の国から来た人にしてみ
       れば、何か自分達の悪口を言われているように思うかもしれないでしょ? その人たち
       に失礼じゃないですか!」 そんなマナーがあったとは・・・・・M氏は自分の無知を恥じ、
       素直に「あ、ごめんなさい」と彼女に謝った。

       さてそれから30分ほど経過した頃であろうか、先ほどのギャル二人組みが再びラウンジ
       に現れ、ソファに座りながら、二人でかなり大きな声でおしゃべりを始めた。

       その時だ! 二人の会話を耳にした途端、M氏のコメカミがまたまた鈍い音を立てて
       キレた!

           「イエスタデーにね、マイ・フレンドがね、ダウンタウンでね、
            トラッフィック・アクシデントにあってさぁ、ナウ、ホスピタル
            なのよ〜ぉ」

       ハッキリ言って、名詞を除いては思いっきり日本語である。発音の問題から言っても、
       彼女達の会話を欧米人が理解できているとは到底思えない。M氏は思わず心の中で
       こう叫んだ。


         

                 

             


       いやいや、実際の話、この手のギャルが多いこと、多いこと・・・・・いまだ怒りの収まら
       ないM氏であった。



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